歯科ブログ

「被せ物」「詰め物」に使う材料の選択にあたっての基準

「どんな材料を使ったらいいかな?」、、、今回は「歯科医院の日常会話」の2弾目として治療に使うマテリアルを取り上げてみました。

まず虫歯のある場所、大きさ、深さや神経の治療の有無(これは強度に関係します)などによって、使用可能なマテリアルはある程度絞られてきます。

その歯の神経の有無が、なぜ歯の強度に関係するのか?ということも、よく質問されます。例えば、同じ大きさの木を考えてみます。青々と葉をつけている木は多少の風にもしなって折れません。一方、枯れた木は普段の強さは一緒でも、強い風が吹くとポキっと折れてしまうことがあります。

歯も一緒で、神経と一緒に栄養血管があります。神経を取ると自動的にその栄養血管も取ることになり、歯が枯れた状態になるわけです。

さて本題の、虫歯の最終治療に使うマテリアとその使用方法は大きく3つに分けられます。

1つ目は、接着性材料(コンポジットレジン)と言われる樹脂系材料で、即日に直接お口の中で詰め物をする方法。

2つ目は、インレー、アンレーといわれる部分的な主に金属で作られた詰め物です。これは虫歯を削り、型を採った後、院内のラボや専門会社の技工所で作った物を、後日チェアサイドで微調整をして。セメントなどと呼ばれる接着剤でお口の中にセットする方法です。

そして3つ目は、フルクラウンと呼ばれているように、虫歯の歯茎から上の部分、お口の中に直接露出している部分を全体を削り、上記の2つ目と同様の手順で作った物を、やはりチェアサイドで最終調整しセットする方法です。


それぞれに、保険が適用されているマテリアルと、保険では使用を認められず、患者さんが自己負担しなければならないマテリアルがあります。

「保険」は噛むということを一番の目的にしていますので、マテリアルも強度が最優先されます。主に金属です。最近は上下左右4番目5番目の歯で内部に自分の根っこが残っている歯に限り、CAD/CAM冠と言って白い歯が保険適用されますので、これはどんどん活用してもらいたいものです

「保険」が認められない「自己負担」のマテリアルは、「噛む」という本来の目的に加え「見た目が綺麗」という「審美性」、アレルギーが出ないという「無害性」、を兼ね備えたマテリアルから選択することができます。

以上、患者さんにとってどれを選択するかを判断することは、はっきり言って非常に複雑です。金額的にも大きな差がありますので、私は患者さんの希望第一主義ですので、納得いくまで徹底的にご質問ください。

結局『「被せ物」「詰め物」に使う材料の選択にあたっての基準』は主治医と納得いくまで相談する!、ということに限ります。
絶対にお忘れにならないでください! 私たち歯科医師は、必ずその虫歯、その患者さんの将来にわたって、これがベスト!という治療を自動的に選択し治療させてもらう人種です。お金も大切ですが、歯科といえども、まず最良のものを選ぶべし!、と教育されています。一方、何事も妥協の産物である、ということも十分に理解しています 🙂
とことん話し合ってください!

そもそも虫歯の治療開始前に「自分は虫歯の治療はしっかりして欲しい。でも詰めるか、被せるか、多少のリスクはあってもなるだけ自分本来の歯を部分的にでも残したい!」とはっきり歯科医に伝えたり、予算を伝えるのも、お互いに良いことだと思います。
もし、ギリギリになってしまっても、考える時間が必要なら、はっきりその旨をお伝えください。主治医は快く待ってくれるでしょう。

繰り返しにもなりますが、最近よくあった症例です。それまでなんともなかった人が、急に金属アレルギーになられ、結局段階的にお口の中の保険の金属材料を自己負担のセラミックに交換しました。こんな花粉症のようなことも頻発しています。
お一人の女性の方は、後で考えると数年まえからネックレスやその他のアクセサリーもプラチナ系に変えておられたそうです。つい最近、立て続けてそんな患者さんがおられました。金属のかぶせ物と、金属の薄い被せ物の表面にセラミックを焼き付けたもの、金属は全く使わずフルセラミックのいずれも3本連結の奥歯のブリッジというワンピースで作るものです。金額を含めそれぞれの長所短所をご説明していた時に、患者さん(お二人とも女性です)が、そういえば最近首に発疹ができ、ネックレスはプラチナしかできない、とおっしゃいました。結局高価ですがフルセラミックのものを選ばれました。私も、患者さんの選択がベストだと思いました。

自己負担していただく必要のあるものの価格は、当院のFBの1915年7月21日前後のポストに記載しております。個々のケースで若干の変動はありますが、基本の価格は変わっていません。ご参考にご覧ください。


さて、まとめてみましょう。
① 使用できるマテリアルは、決して一つではありません!
② 「保険」の材料でも機能的(噛むということ)には何の問題もありません!
③ どんなに良い材料を使っても、肝心に歯が歯周病などのよりグラグラになってしまい抜かなければならないようになれば一緒です。これは治療した歯、そうでない歯に関ら  ず、3ヶ月に一度、最低でも6ヶ月に一度はクリーニングも兼ねてメンテナンスにお越しください!


しかし余談ですが、3〜4連結のノンメタルのフルセラミックのブリッジは芸術品です。色調、形態、また表面の顕微鏡レベルでの滑沢差で歯垢など汚れもつかなく衛生的で、本当に最高の作品です。、、、ここだけの話ですが、しばらく眺めていたくて、患者さんのお口の中に接着するのを待っていただきたい時もあります 😛

ご参考になったでしょうか? 質問や、セカンドオピニオンとして聞きたい等なんでも結構です。いつでもご連絡ください 🙂

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