歯科ブログ
「歯周病」を治すと「糖尿病」が良くなる!? 「糖尿病性腎症」
前回は歯周病に関連して糖尿病の話をしました。今回は「糖尿病の三大合併症」、「糖尿病性網膜症」「糖尿病性神経症」「糖尿病性腎症」の中で、最後の「糖尿病性腎症」についての興味深い本を読みましたので、なるべく簡潔にしてご紹介したいと思います。
その本とは、相田能輝先生の「医者は口を診ない、歯医者は口しか診ない 医科歯科連携で医療は大きく変わる」医薬経済社刊 です。
ぜひ手にとってご覧ください。もちろん、当医院の待合室にも置いています。
以下、主な部分をご紹介いたします。
「現在、全国で約30万人の末期腎不全の患者さんが透析治療を受けておられます。今も毎年およそ1万人の方が発症されているそうです。
腎不全を引き起こす代表的な慢性腎臓病がIgA(免疫グロブリン)腎症です。
IgA腎症はゆっくりと、しかし確実に進行して、約30年でほぼ半数の患者さんが透析や腎臓移植が必要となります。
腎臓病を早期発見する方法は検診時の尿検査で、「タンパク尿」や「血尿」の発見がカギとなります!
1998年までは透析の第一原因はIgA腎症でしたが、1990年代に入り、糖尿病の増加に伴い「糖尿病性腎症」の患者さんが爆発的に増加しています。
「糖尿病性腎症」の場合、すでに全身の血管の傷みが激しいために、心筋梗塞や脳卒中を起こし易く、透析開始患者さんの5年生存率は約50%となっています!!
「糖尿病性腎症」はIgA腎症と違い検診では「血尿」ではなく「タンパク尿」が出ることがとky長で、早期発見、早期治療が最重要となります。
IgA腎症は仙台市の堀田修先生の大変なご尽力で、「扁摘パルス療法」が確立され、今までは治らないという事が半ば常識となっていたIgA腎症は治る病気となりました。
糖尿病性患者さんのうち、Ⅰ型、Ⅱ型を問わず「糖尿病性腎症」を発症されるのは30〜40%で、すべての糖尿病患者さんが「腎症」を発症されるわけではありません。しかし、30〜40%は高確率です!
糖尿病から腎臓に炎症を併発するメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、現在多くの医師が「病巣感染」が関わっているのでは?と考えています。、、、「歯周病」です。
「糖尿尿性腎症」は発症から約10年で透析が必要なレベルにまで進行してしまいます。
そうならないように歯周病治療、禁煙など歯周病予防のための口腔ケア、また、もう一つの「病巣感染」の原因となる慢性上咽頭炎を少しでも解消するため、呼吸を口呼吸から鼻呼吸に改善する、などなどするべきことはいっぱいあります。」
今回は以上です。うまく要約できているのか不安ですが、もし上記のことに少しでも該当されている方は是非早くに行動に移られることをお勧めします。
私たちに与えられた時間はそう長くはないかもしれません!
一番焦っているのは私かもしれませんね、、、