歯科ブログ
「歯周病」にかかりやすい人!:(
こんにちは ! 八木歯科医院です。
さて今回は歯科に関連した話題の番ですね、、、最近は歯科医院のホームページであることをふっと忘れてしまい、脱線してしまうことが多くなってきました(笑 今日はちゃんとタイトルの『「歯周病」にかかりやすい人』についてご一緒に考えていきましょう 🙂
歯茎がなんとなく腫れている感じでお口全体が浮いたような気がする、歯磨きの度に出血する、などは「歯周病」の初期症状かもしれません 🙁
厚生労働省の調査では、30〜34才の方では20%を超える人が、45〜49才の方で40%、60〜64才の方でなんと50%を超える人が「歯周病」に罹っているとされています。臨床現場にいる私たち歯科医師はもっと多くの方が部分的であってもたいへん深刻な状態であると感じています。
以下は『「歯周病」にかかりやすい人』の最も簡単な5つのチェックポイントです。あなたはどうでしょうか? そして私は、、、?
⒈ 「1日に歯磨きをしない日が週に何日かある。歯磨きはしても、1回の時間がとても短い」
ブラッシングの基本は、以前にもお話ししましたが、毎食後30分後を目安に1回あたり最低2分以上かけて丁寧にゆっくり、です。
私がいつも患者さんにお願いしていることは、歯ブラシはグーで持たずペングリップで持つようにする、歯磨きペーストはブラシ部分の先端1/4!、上下左右どこからでも結構ですから2本くらいづつ少しづつ磨いていくようにしてください。強さは、ブラシの毛先が歯に軽く触れている程度です。あまり厳密に考えずに、あくまでそんな気持ちで、で充分です。これもよくお話しするたとえ話ですが、ご自分のコートに付いている埃をブラシで取る時、強くブラシを押し当てて擦って取る方はいません。生地が傷むだけで埃も取れませんでしょう? お口の中も一緒ですね。
⒉ 「歯石除去(スケーリング)を最近していない」
歯石には、歯茎の奥に隠れて見つけにくい歯石もありますので、3〜6か月に1回程度の割合で歯医者さんで取ってもらいましょう!
歯石には比較的見つけ易い「歯肉縁上歯石」と、歯茎に隠れて見つけ難い「歯肉縁下歯石」があります。特に「歯肉縁下歯石」が厄介者で、歯の根と歯茎の間の溝、健康な人でも1.5mm〜2mmあります、「歯周ポケット」内に隠れています。この「歯肉縁下歯石」が歯周病菌の温床になり、歯を支えている顎の骨を溶かし、歯をグラグラにしてしまいます。
歯ブラシで取ろうにも「歯周ポケット」内にブラシが当たると痛いですし、一旦歯石が溜まると歯医者さんに取ってもらわなければなりません。ご自分で無理をせず、定期的に歯科医院で取ってもらい、後は少しでも再付着の予防にがんばる、というのがベストでしょう。
また、「3〜6か月に1回」というのは、その時に同時に検診もさせていただきたいからです。もし、虫歯が見つかっても初期発見であれば少しでも簡単な治療で済みます。もちろん「歯石除去」は保険適用ですので、もっとこれを積極的に活用していただき、歯周病の予防に役立たせてください。
ほとんどの方が今も、歯が実際に痛くならない限り歯医者に行かない、あるいは、歯が痛くない限り行っても時間の無駄、だと思っておられるようですが、予防は最大最良の治療です!
⒊ 「口呼吸している」
特に寝ておられる間に「口呼吸」していて、お口の中が乾燥しやすい方は「歯垢」が溜まり易く、それが歯石の付着につながります。
歯石はこの「歯垢」(プラーク)、すなわち歯周病細菌の塊が唾液中の酵素によって固まったものです。
「口呼吸」の原因は主に3つあるようです。
1つ目は鼻つまりなど耳鼻科領域の問題、2つ目は口の周りの筋肉が弱い、3つ目は歯並びが悪い、といったことが原因で口を閉じにくい状態にあるといった事です。こういった方は口を開けているのが楽だからという理由で、「口呼吸」の悪影響を自覚されているにもかかわらず、「口呼吸」をせざるを得ない状況にあるようです。
口の周りの筋肉を少しでも強くする体操があります。一度お試しください。
「あいうべ体操」
「あー」「いー」「うー」と口を大きく動かして発音し、最後に「べー」と舌を下につく出す運動で、それぞれを3〜5秒ずつ、1日30セットが目標です。声は出しても出さなくてもどちらでもOKです。口を大きく開けると顎の関節が痛む方は「いー」「うー」のみでも構いません。湿度の高いお風呂で行うと、より楽でしょう。
なんと、この体操でこれまでに効果のあった主なものには、以下の病気が報告されています!
・アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、花粉症、アレルギー性鼻炎)
・膠原病(関節リウマチ、エリテマトーデス、多発筋炎、シェーグレン症候群)
・精神関連疾患(うつ病、うつ状態、パニック障害、全身倦怠感)
・消化管疾患(胃炎、大腸炎、便秘症、痔)
・その他(イビキ、尋常性乾癬、高血圧、カゼなど)
⒋ 「歯並びが悪い」
歯を削ったり、歯列矯正をする前に、「タフトブラシ」やフロス、場合によっては「ウォーターピック」に代表される水流を使い自宅の洗面所などで行える方法など、それぞれの人に合った方法をアドバイスさせていただけると思います。
⒌ 「睡眠中に歯ぎしりをする。歯の噛み合わせが悪いような気がする」
これらは、歯そのものや歯を支える歯周組織に無理な力がかかる事で歯周病にかかりやすくなります。
これも保険適用内で「ナイトガード」と言われるマウスピースのようなものを使う事や、咬合調整などの治療で改善させれる事が可能ですので、まずご相談ください。
以上、簡単ですが5つのチェックポイント、いかがだったでしょうか?
今や歯そのものの治療に用いるマテリアル、あるいは入れ歯に用いるマテリアルは日々進歩し、強度や審美性も優れたものになっていますが、その土台となる歯周組織が弱くては、極端に言えば、どんなにお金をかけても無駄となってしまいます! 何よりも、ご本人が噛めない、食べ物が美味しくない、口臭がする、といったような不快感を感じ続けることになります。
まずは歯科医院での検診と歯石除去などのクリーニング大切です。「転ばぬ先の杖」、ぜひ予防に努めてください!
私は一臨床歯科医ですが、お口の中の健康が、それだけにとどまらず、体全体の健康、もっと言えばメンタル面の健康につながると確信し、日々一生懸命診療させていただいています。私の診療所に来ていただき、一緒にお話しするだけで、少しでも患者さんが元気になっていただけたら最高の幸せです。
ぜひ私たち歯科医師をご自分のために活用なさってください 🙂