歯科ブログ

『「歯科での局所麻酔」!、、、(汗』再掲です。

こんにちは、本町の八木歯科医院です。

来週は週初めから「秋分の日」まで連休にさせていただきます件、患者さんにはご迷惑をおかけしますが再度よろしくお願い申し上げます。

さて今回は7月に一度紹介しました「局所麻酔」=「注射」のついて再度ご紹介します。というのも、今でもよく「どこで噛んで、食べてるんですか?」という方が初診に来られます。お話を伺うと、歯医者が怖くて、つい来院が延び延びになりついに噛み合う歯がなくなってしまった、と本当に申し訳なさそうに話されます。

それは何もその方ばかりの責任ではなく、私たち歯科医にも責任があることです。以前は患者さんの歯の治療の痛みにあまり無関心な先生が多くおられました。しかし、今はそんな先生は一人もいません。出来る限り痛みなく、リラックスして治療を受けていただけるように歯科医師みんなで日々努力しています!歯医者は社会の嫌われ者、と昔から決まっていますが(汗、歯医者も汚名返上に頑張っています。

ぜひもう一度、以下のブログを読んでいただき、安心してご来院していただければ幸いです。

『今回は「麻酔」についての当院の、というより私の捉え方をお話ししたいと思います。

もちろん、皆さんが「麻酔」=「注射」を嫌っておられることは重々承知しています。それは充分に分かった上でお話しさせていただきますので、皆さんもちらっとお読みください。

まず、歯を抜くときはもちろん、歯を削る、歯の神経を取る、時には歯石を取る、などには麻酔が必要なことは、どうかご理解ください。
嫌われる事を覚悟の上で言えば、まだ神経のある歯の、詰め物を作る時に我慢してくださいね。という先生も多くいらっしゃいますが、私は患者さんの同意があれば他院の先生に比べても「麻酔」を多用する歯科医師だと思います。
「麻酔」する場合の理由は大きく3つあります。まずその前に、神経のある歯の痛みはどのように起きるのかを、いつも患者さんにチェアサイドでお話ししているように簡単にご説明します。

左の模式図の中で、神経を守っている最後の組織である象牙質。図ではその中の放射線状にある線は大雑把に書かれていますが、実際は顕微鏡レベルでのパイプ(象牙細管と言います)です。その中に体液が入っていて、普通は外界側よりに溜まっているその体液が、何か刺激があるとパイプ内を神経側に移動し、イメージ的には、その体液が神経を圧迫して痛みとなって感じることになります。

知覚過敏で冷たいものが滲みる、という時も基本的に同じことが起こりますので、このパイプの外界側の出入り口を封鎖して体液の移動を止めて痛み(この場合は軽い痛みですので、患者さんは滲みる!と言われます)の発生を抑え込む処置もします。歯茎との境目の歯面コーティングですね。
以上が簡単な痛みの発生システムです。、、、ま、これを知っているから大丈夫!というものではなく、象牙細管の出入り口を外界に露出させないために、力を入れて横磨きをせず、なるべく「エナメル質」を歯ブラシの磨耗で無くさない。というような使い方をしていただくと効果的です。

さて、「麻酔」をする3つの理由の1つ目は、当然、歯を抜いたり歯の神経を抜いたり、などの治療に際して必ず必要な場合です。
ただ、「麻酔」に対するその患者さんごとの感受性や、「麻酔」する部位の炎症の程度によっては「麻酔」が充分に効かない場合もあります。そのような時は、むやみに「麻酔」の使用量をどんどん増やすのではなく、効かないなかでも可能な範囲で処置をさせていただき、次回以降、通常2〜3回の通院回数後、再度「麻酔」させていただきます。
「麻酔」の効きにくい体質の方も確かにおられますが、1回目はそうであっても2回目はほとんど、全員と言っていいほどの方が「麻酔」が効くようになっておられます。
これは全くの私感ですが、おそらく歯科の「麻酔」の手順がお分かりになり、心の余裕ができる。交感神経系の緊張が少なくなった事がその原因かと思われます。


 
それとは別に、医師、歯科医師はどのような処置であれ、GOとSTOPをはっきり見極めれる事が大切な資質と思います。決して患者さんの不利益になる無理はしない、私はいつも自戒を込めて心の中で繰り返し、自問しています。

「麻酔」を使う理由の2つ目は、治療中の患者さんの心の余裕の確保、です。
今日は痛みがない!、、、という患者さんの安心感を大切にしたいと思います。 例えば、腕に何針もぬわなければならないケガををしても、初めの「麻酔」処置が見ようと思えば見れるので、人によっては針の入る、その瞬間だけグッと我慢し、あとは涼しい顔で自分への処置を見ている。という方もいます。
が、歯科は嫌いだ!という方は、口の中の治療は見えないのでそれが怖さを持続させ、疲労困憊して嫌だ、という方が大半です。
でも「麻酔」さえさせていただけたら、そんな方でも少しは緊張がなくなり、中にはいつものように陽気な話で盛り上がりながら治療も終了、という方も多くいらっしゃいます(笑

3番目の理由は、患者さんに歯科治療に対して自信を持っていただけることです。嘘のように苦手意識をなくしてもらえるのです!
みなさんお方がよくご存知のはずです。歯科においても「麻酔」はそのものが一つの処置です。充分な心の準備が必要な方も多くいらっしゃいます。
その「麻酔」が完了した時には、みなさんホッとした気持ちとともに、ある種の達成感を感じられているような表情をされ、それまで無口だった方が、楽しくしゃべられるようになってくださいます。

私たちは歯科治療用のチェアにお座りになるでも、実際に血圧が上がる方も多いことを常に念頭に治療させていただいています。
上記の3つの主な理由から「麻酔」の必要の有無を判断していますが、1回でも当院に来られた方はご存知でしょうが、よほどの急患を覗いて、初回からいきなり「麻酔」は決してしません。「次回は麻酔をして治療しましょう」と必ずお伝えして患者さんの予定と擦り合わせてから行います。

また実際の「麻酔」も私はまず表面麻酔を基本5分以上してから、電動注射器を用いて行います。
上記の画像にもある、この電動注射器の利点はまず、麻酔液の注入が電動ですので極めて細い注射針、実際には「31G」針の緒系はなんと0.28mmです。0.26mmの針も使いましたが、口内炎状の傷が多発しましたので、今は直径0.28mmを普段使用しています。その直径だけでも注射針の刺入による痛みは格段に小さくなります。
そしてもう1つは、注射器が簡単に言えばマイコン制御されていて、その人の、その時の歯茎の硬さや、実際に麻酔液を注入する骨膜と顎の骨も密着度の変化を刻々とリアルタイムで完治し、自動的に感知して麻酔液の注入力やスピードをコントロールしてくれることです。
麻酔液の使用量も最小にできましし、もちろん痛みも最小です。


 
以上、「麻酔」には実際的な必要の有無以外に精神的な好効果もありますので、ご興味のある方も含め、「麻酔」処置をご希望の方は遠慮なくお申し出ください。

ただし、局所といえどもリスクも必ずあります。この点において、最終的な「麻酔」の使用の可否は私が責任を持って決めさせていただきます。

「麻酔」の事などより、もっと重要度の高い事が多くあるだろう!と言われる先生もおられますが、一臨床医として患者さんの目線で見れば、案外と治療の最初の第1歩といっていい「麻酔」が一番大切な事ではないかと思います。』

ご参考になったでしょうか? ご質問、お問い合わせ等何でもご連絡をください! 🙂

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