歯科ブログ
「食物不耐症」(非アレルギー性食物過敏症)
8月最初のテーマは「歯科医院の日常会話」シリーズの予定でしたが、今朝いつものようにネットをチェックしていくと上記についての記事がありましたので、急遽テーマを変更しました。
「食物不耐性」(非アレルーギー性食物過敏症)
私たち、医療関係者の間ではよく話題となるのですが、まだまだ一般には広く認知されていないようです。
簡単に要約してみます。『25年以上、原因不明の偏頭痛に悩まされていたイングランドの女性が、ふと試した食材アレルギーを簡単に自己診断できるキットで(York Test)で、「乳製品」と「トウモロコシ」が上手に消化できていないことが、偏頭痛の原因だと突き止めたのです。』
ここで大切なのは、原因が「非アレルギー性食物過敏症」、別名「食物不耐症」だったということです。
特定の食物が、その消化が上手にできないことによって一般的なアレルギー症状がなくても、全体的な感覚的な体調や、疲れ、アトピー、下痢、などいろいろな障害の原因になっていた、というわけです。
記事にはイギリスではこのような「不耐性」がなんと45%の人にその症状が'見られると書かれています。
日本でもよく話題に上がるものに「グルデン不耐性」が知られています。小麦に含まれているタンパク質は「グルデン」と呼ばれている種類のもので、パン、パスタ、ラーメン、うどん!、クッキー、パンケーキ、などに使われていることが多く、もし、これらを食べた後に何らかの微弱なことでも体調に不調を感じられる方は、要注意です。
具体的な症状が記載されています。転記させていただきます。
① 膨満感、下痢、便秘など、消化器系のトラブル。
② 二の腕や背中にぶつぶつが出る。
③ 疲労感を感じ、頭がすっきりしなくなる。
④ 橋本甲状腺炎、関節リウマチなど、何らかの自己免疫疾患を持っている。
⑤ めまいがするなど、平衡感覚がおかしくなる。
⑥ PMSなど、ホルモンバランスの乱れによる症状が急に出る。
⑦ 偏頭痛が起こる。
⑧ 気分のむら、不安感や抑うつ状態になることがある。
また、オーストラリア人で80人から100人に一人の方に「グルデン不耐性」の方がおられるそうですから、日本人では推して知るべし、です。
原因不明の上記のような不調が感じられる方は、まず内科医に相談してみてはいかがでしょうか?いつも言いますように「何もなければそれで良し」です!
私事となりますが、私もかつて強烈な偏頭痛持ちでした。たまたま製薬会社で偏頭痛を研究している友人がおり、まず治療の第一歩は食べたものを簡単にメモとして残していくことだ、と言われました。そこから関連性が見つかる可能性が大きいそうです。
歯科の場合も同様です。初診時に「ここら辺が何かにしみて痛い」ということで来られることが多いです。見えない口に中のことですので当然だと思います。
私は「不可逆処置」は最後の手段'主義の歯科医ですので、レントゲンやその他のテストでも原因歯を特定できない時は、患者さんにいくら懇願されても勘だけでいきなり処置はしません、、、ちょっと、意地悪に見えるようですが、、、。
例えば「何かが沁みてここら辺が痛い」という方には、レントゲン撮影などをしてそれでも特定できない時には、まず、冷たいもの、温かいもの、どちらを食べるか飲んだ時に沁みやすいか? 次に、上下どちらの歯により強く感じたか?、などをメモしていただき、少しずつですが原因歯を絞り込み、それから処置を患者さんと相談します。(ちなみに、冷たいものに主に沁みているなら、最近よく耳にする「知覚過敏」では軽度です。温かいものでしたら、黄色から赤信号です)
このようにメモのような簡単なことでも、記録を取るということは、どのような場合でも必ず役に立ちものです。
是非ご参考になさってください。
診療所に置かせていただいている「坐摩神社」の御神花も、明日あたりには次が咲きそうです