歯科ブログ

「引きこもり」とアドラー心理学。

おはようございます、八木歯科医院です。今日は寒の戻りの雨ですね 🙁
昨日までは、急にめっきり暖かくなり待望の「春」が来たような気がしました。やはり、まだお彼岸までは三寒四温、油断は禁物です。と同時に私は、なんか鼻の奥がムズムズして花粉症の恐怖の影に怯える毎日です(汗 、、、こんな対症療法もあるのですね、、、

さて先日は同年輩の友人たちと久しぶりに会い、大いに飲み(と言っても私は下戸で、気分だけ :))大いに食べる機会があり楽しい一時を過ごしました。が、その中で一人の友人の息子さんが最近「引きこもり」状態だと聞き本当に驚きました。また、それとは別に患者さんや知人から最近よく「引きこもり」にある青年たちの話を耳にします。
本人はもちろん、ご両親の心中を察すると本当に心が痛みます。

彼らには偶然にも共通項が2つありました。一つは大学生であること。もう一つはバイトなど契約関係にある仕事はきっちりできる事でした。何か関係があるのかも考察してみたいと思います。
皆さんの周りには、そんな若い人たちはいないでしょうか? 前途有望な彼らが苦しんでいる事は実に可哀相で残念です。
今回はそんな事も関係して、いつものように歯科に一見関係のないテーマを選びました。しかし口腔も体を構成する大切な一部です。お口の健康と全身の健康は密接に関連しているはずですが、、、

先の友人は息子さんの「引きこもり」の原因を、当然過去にあるはずだ、として見つけ出し必ず解決すると言っていました。その時私はふと以前に読んだ「アドラー心理学」を思い出しました。今回のテーマは私なりの「アドラー心理学」です。数回に分けて進めたいと思いますが、先日歯科の専門書を探しに書店に行くと、、、!!
今、「アドラー心理学」ブームなんですね! 『嫌われる勇気」は私も読みました。ということは、皆さんの方がよくご存知かもしれませんね、、、私の独断と偏見からくる誤りに、ぜひ、ご意見、ご賢察を教えていただけましたら幸いです。

「心理学」と聞けばフロイトやユングが頭に思い浮かびますが、もう一つ、今までは名前こそあまり知られてはいませんでしたが「アドラー心理学」があります。創始者のアルフレッド・アドラーに関してはリンク先のWikipedia先生をご参照ください。以下、私の解釈です。

「アドラー心理学」ではフロイトの心理学と違い、
① 心の中ではなく、対人関係を問題にしている。
② 原因論ではなく目的論を採用している。
、という点が特長だと思います。

私の友人が息子さんの「引きこもり」の原因を過去の事象に探し、もし探し出せた!とうとう見つけたぞ!、と思っても、過去は今更変えようがありません。
アドラーは、「病気が治れば、あるいは異常がなければ正常である、というふうに考えず、正常とは何か、健康とは何か、幸福とは何かを扱っている事」が他の心理学と異なっているのです。
また、彼は研究や治療はもちろんですが、育児と教育を重視したようです。どんな大人になって欲しいかという目的をはっきり意識していました。

その目標とは、
① 自立する。
② 社会と調和して暮らせる大人になる、という事でした。

そして、これらの目標を支える心理面の目標として、
① 私には能力がある。
② 人々は私の仲間である、と感じる事としています。

その上で「ライフスタイル」は変える事が可能であるとしました。ここでの「ライフスタイル」とは「性格」の事ですが、彼は「性格」という言葉に暗示されている「変えにくいもの」というイメージを嫌い「ライフスタイル」という言葉をあえて使ったようです。

「私には能力がある」=自分の人生の問題は自分の力で解決できる、という意味です。私には非常に耳に痛い言葉ですが、努力目標としています。、、、としておきましょう(汗

「人々は私の仲間である」の「仲間」はもし仲間関係がなくなっても、それは決して致命的なことではなく、次々と新しい「仲間」と関係を築く事ができる、と柔軟に考えよう!と言っています。

さて、アドラーは人間の悩みは全て「対人関係」の悩みである。と言ってる気がします。人間の行動には必ず「相手役」がいて、その「相手役」に自分の意図した思いを抱かせる、という事がその人の行動を決める!と考えました

そこで私はこう考えたのです、、、

「引きこもる」=両親や他の特定の誰か、が心配する、悲しむ、等々。

従来の「原因論」心理学では、何か過去の事象が原因で「引きこもる」のですが、アドラーの「目的論」心理学では「引きこもり」という手段をとることによって誰か特定の人が心配したり悲しんだり、意外と「引きこもり」で特定の場所に出ない事で誰かが喜ぶ事も考えられます。何れにしても、特定の誰かが感じる事が、「引きこもり」をする若者の目的じゃないのかな?、、、です。

では何故、「引きこもり」をしてまで、そのような事を望むのでしょうか?

私は、、、それは、自分は他人とは違う事をアピールしたい、あるいは他人とは違う自分を理解し認めて欲しいからではないか?と思いました。

初めの友人の息子さんに戻りますが、今まさに将来を見据え暗中模索している時期、しかも思春期を過ぎつつあり自己形成が完成しつつある時期に私たち大人は決まった型に彼を押し込めようとしていないか?、、、私もやっと社会人になったとはいえ我が子たちに対する私の姿勢を、今一度考えなければならないかな?、と思います。私たちにとっても「いつか来た道」なのですが、、、

このように、アドラーは今の行動の元を将来の目的だ、としました。将来の事なら変える事は可能性大です。余談ですが、これが今の「アドラー心理学ブーム」に繋がっているのかもしれませんね。

さあ、私の勝手な推測は今回はここまでとしましょう。

ここまでの私の稚拙な解釈におかしいと感じられ、もっと正しい「アドラー心理学」を知りたいと思われた方は、ぜひ書店やAmazon.comなどを覗いてみてください。

私は「アドラー心理学」の書籍はほとんど電子書籍で読みましたが、中でも「アドラー心理学入門」や、アドラー心理学を理解した哲学者と理解したくない青年との対話方式で書かれた「嫌われる勇気」は面白かったです 🙂

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